田舎のシャッター街はTwitter映えの宝庫
この間、市役所に行くついでに市内をちょっとぶらついた。
家と市役所の間にちょっとしたアーケードがある。平日の昼間だったからか人通りもまばらで、平日の昼間なのに店舗のシャッターは基本閉まっていた。小さい頃から歩いていたのでちょっぴり寂しい。田舎の現状を目の当たりにしつつ、おセンチな気分で歩いていたが、それにしてもところどころちょっとおかしい。
地元の潰れた映画館から逃れられないちびまる子ちゃん。ただただ怖い。 pic.twitter.com/7UP9iSAw8v
— シモダヨウヘイ (@shimotch) 2018年3月2日
百聞は一見にしかず。こんなちびまる子ちゃんをお散歩中の小さい子供が見てしまったら最後、怖くて映画館に入れないじゃないか。全国にある八木館に連れて行かれようもんなら大号泣間違いない。悪い子は八木館に連れていくぞという脅しもそこそこ通用する気がする。家の近くに八木館があればだが。
よく見るとまるちゃんの右手がない。鼻周りの異常な汚れ。満面の笑み。狂気が滲み出ている。
この八木館という劇場、後から検索してみたら廃墟検索地図にも出てくるれっきとした廃墟だった。余計に怖い。調べなきゃよかった。その場に立ってると流れてもいない世にも奇妙な物語のテーマが聞こえてくるような気さえする。
人生劇場。なんか深いことが書かれているが、恐怖でしかない。
奇妙な物語の主人公にはまだなりたくないので、足早にその場を離れた。
端から端まで歩いたが、至る所にフォトスポット(違和感)があって都度足を止めて写真を撮った。相変わらず人通りは少ない。助かる。 そして僕の写真フォルダにはたくさんの違和感がおさまった。2年後、あらためて写真の整理をした時になぜこんなものを…と呆れてしまうかもしれないが、それはその時の自分が処理したらいい。知ったこっちゃない。
田舎の音楽教室は控えめで好感度が高い。
商店街を抜けると城が見えます。
ちょっと前にあべのハルカスでやってたジブリの立体建造物展で目にした、背景についての説明のことを思い出した。ジブリ作品の背景はその作品の上映時期からちょっとだけ昔にずらして描いている。うろ覚えだけど多分そんなことを書いてた。背景のズレによって、作品全体にちょっとした懐かしさを生み出しているとのこと。全く意識してなかったが、言われてみればジブリの映画からはなんとも言えない懐かしさが滲み出ていて、惹きつけられる。言われたからそう思っただけかもしれない。
違和感は生活とのズレの中から生まれる。その違和感を見つけるのには一定の観察力や感受性を必要とする。都会にいると何もかもが予定調和で、よっぽど意識して隅々まで目を凝らさないと拝めない。観察力や感受性を研ぎ澄ますには、常にアンテナを張り巡らせていないといけないし、大変だ。けど田舎は違う。大量の違和感が向こうから手招きしている。面白いものを見つけるのにセンスなんて必要ないし、そこかしこに転がってるから目を開けてるだけでいい。面白いもの見つける能力が欲しかったら田舎に行こう!もしくは廃墟に行こう!
それを何人かでやってみたらもっと面白そう。