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コミュニティについて考える時に読んでおきたいHUNTER×HUNTER(主催者編)

続き。

 

shimotch.hatenablog.com

 

前回はコミュニティに参加するときに考えておきたいことをいくつかあげた。ちょっと意識するだけでコミュニティから吸収できるものは何倍にも膨れあがるし、意識してなかったら何もしてないのとほとんど変わらない結果になる。これは間違いないと思う。が、それはあくまで参加者としてコミュニティ所属した場合の話で、結局のところコミュニティは作って(旗を振って)なんぼだとぼくは思っている。

 

大阪で会社員をしていた頃、仕事とは別でフットサルチームを立ち上げたり、読書会などのイベントを開催していた。参加者が少ない時にコート代を多めに支払ったり、何があっても休めなかったり、参加者だったら味合わなかっただろうリスクもたくさん背負ったけど、それを上回るメリットがあった。やってきたことは直接自分の実績にカウントされて、対外的に話をするのもだいぶ楽になった。し、知り合いも増えた。

 

みたいな経験をしてきたから、別に大層な集団を目指さなければ、ちょっとしたコミュニティは別にネームバリューがなくても誰でも気軽に作れる。で、そのちょっとしたコミュニティでも主催者を経験するのは絶対に無駄じゃない。みたいなことを考えながら、ああやっぱりグリードアイランド(以下G・I)的コミュニティを作りたいなぁと思ったので、主催者目線でコミュニティを考えるにあたって大切なことをつらつら書いていく。G・Iの主催者、ジンと10人の仲間達は理想に近いコミュニティを作り上げている。重要なポイントは下記の4つ。

 

  1. 参加者に共通の目標を与える
  2. レベルアップするための環境を作る
  3. 参加者同士をつなげる仕組みを作る
  4. 外部の侵入者から守る

 

1. 参加者に共通の目標を与える

G・Iにはゲームクリア(指定カードのコンプリート)が共通の目標として掲げられている。それとは別に大富豪バッテラ氏の報奨金もあるが、それもゲームクリアを達成するための副次的なものだ。この目標を達成するために、参加者はゲーム内で様々なミッションに取り組み、結果G・Iの世界が動いていく。この目標がなかったら参加したはいいものの何をしたらいいのかわからず、モタリケ状態になってしまう。そしてはじめからモタリケになることがわかりきっているコミュニティに人は参加しない。(※モタリケが分からない人は前回記事を御覧ください)

 

「なんのために参加するのか」は各自で決めればいいと思うが、それを決めた上でどこかのコミュニティに参加する場合、そのコミュニティで「なにを達成できるのか」という目標がハッキリしていることが重要だと思う。◯◯を達成したい人集まれ!みたいなアプローチがうまいことできれば、自然とそれを達成したい人が集まってくる。

 

2. レベルアップするための環境を作る

HUNTER×HUNTERは修行シーンの描写がとにかく素晴らしい漫画だと思う。なかでもネテロの正拳突きとクラピカが鎖を舐めたりかじったりするところとかよだれが出るくらい好き。…よだれを拭いて話を戻すが、G・I編も序盤は主にゴンとキルアの修行シーンが描かれている。

モンスターを相手に初めは苦戦するが、念能力を使いながら観察することで弱点を見抜きどんどん倒しながら成長していく。ビスケも「順序よくゲームを進めていけば確実に強くなれるようプログラムされている」と感心するように、このモンスターは念能力を用いた戦闘能力をレベルアップさせるための修行相手として設計されている。

 

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(出典:HUNTER×HUNTER15 富樫義博)

 

コミュニティでも小さなイベントのようなちょっとした問題を適切に設定することで、修行相手のモンスターを生み出すことは可能だ。そしてそのモンスターを倒した参加者のレベルは当然上がる。重要なのはいかに確実に強くなれるよう各イベントをプログラムするかと、いかに適切に修行をしてもらえるかだろう。その過程でビスケがゴンやキルアにしたように、ちょっとしたアドバイスをするのも良い。

 

3. 参加者同士をつなげる仕組みを作る 

前回の記事にも書いたが、ゲーム世界の中でゲームマスターはほとんど登場しない。開始時のチュートリアルすらなく、基本は参加者同士のやり取りによって進行している。そのため、この世界の中には参加者同士をつなぐ様々な仕組みが見られる。呪文カードや人数を揃えないと挑戦できないミッションや、カード限度化枚数の設定(奪い合いを助長)もその仕組みのひとつとして考えられる。

 

一旦仕組みさえ出来てしまえば、主催者が声をあげなくても勝手に動いていく。参加者がちょっとしたイベントの主催者になるのをイメージしてもらえればいいが、同時多発的にいろんな物事が進行されていくとコミュニティは活性化する。

 

4.外部の侵入者から守る

G・ Iでゲームマスターが登場する数少ないシーン。正当な手段(前回記事に書いた条件をクリアすること)をとらずにゲーム世界にたどり着いた不法侵入者を排除(エリミネイト)している。

 

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特別スペルで不法侵入者もBAN(出典:HUNTER×HUNTER15 富樫義博)

 

理想的なコミュニティに最も必要なものは安全であること。そしてその安全を保つのは主催者の大きな役割の一つだ。参加者が安心してコミュニティ内の各イベントに参加できるように、日々外敵の侵入には気を配らないといけない。

かつ内部は内部で爆弾魔(ボマー)みたいな危険思想を持った参加者が出てくることもある。G・Iの中では特段の違法性がないので放置されていたが、現実世界でコミュニティを作る時はそのあたりもケアしていかないといけない。(じゃないと他の友好的な参加者が大量に死んでしまう)

 

さあ、コミュニティをつくろう

前置きと本題のボリュームがほとんど同じになってしまった…。つらつらと能書きを垂れたけど、とりあえず作ってみるのが一番の勉強法だと思う。とはいえ一旦作ったら作ったで参加者に対する責任は発生するので、最低限の基本として上記が一読に値するものであればなにより。

最後にG・ I編のいちばん好きなところを書いて終わるが、それはこの世界をジンが一人で作ったのではなくて、ジンを中心とした11人のメンバーでつくりあげたところだ。ひとりのカリスマに頼ることなく、それぞれがそれぞれの特性を活かして多くの人が参加するゲーム世界を作成・運用している。G・Iを作る目的で集められた少数精鋭のコミュニティこそが、ぼくが今つくりたい理想の形に一番近い。

 

そのためにもまずは念能力使えるようにならないとなぁ。