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コミュニティについて考える時に読んでおきたいHUNTER×HUNTER(参加者編)

HUNTER×HUNTERがまた長期休載している。

 

ミックス1巻分を連載して、しばらく休載のサイクル。次の連載が始まるころには内容を忘れているからコミックスを読み返すことになるし、よく練られた戦略。この漫画は各編ごとに構成が練りに練られていて面白いけど、中でもグリードアイランド編がものすごく好き。

 

HUNTER×HUNTER モノクロ版 14 (ジャンプコミックスDIGITAL)

HUNTER×HUNTER モノクロ版 14 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

グリードアイランド(以下G・I)は主人公ゴンの父親、ジンが仲間と一緒に作ったハンター専用ゲーム。カードを集めるゲーム要素しかり、ライバルとの共闘しかり、初めて読んだのがいつかは覚えてないけど確実にぼくの中の厨二部分をこちょこちょくすぐられた。今も読み返すたびにくすぐられ続けている。こそばゆくなくなった時にぼくの中の厨学二年生が死ぬ。読みながらこんなゲームがあったらやってみたい気持ちと、あとこんなゲーム世界作ってみたい気持ちに駆られる。前者はのちに発売されたゲームで大いなる絶望とともに実現された。後者はコミュニティづくりで再現可能だと最近また改めて考えている。

 

ハンター×ハンター?幻のグリードアイランド?
 

 

今コミュニティについて考えるにあたってG・Iの参考になるところを、大きく参加者目線と主催者目線に分けて備忘と共有のために書いていく。とりあえず今回は参加者目線で読むG・Iの重要なポイント3つ。

 

  1. 参加するための最低条件を満たす
  2. 環境を利用して修行する
  3. 他の参加者と交わる

 

1. 参加するための最低条件を満たす

G・Iをプレイするためには二つの条件を満たす必要がある。まず一つ目はソフトを入手すること。ゲームをプレイするためにはそのゲームを手に入れる。入手難度は甘めに設定されていて、「金さえ用意できれば入手自体は難しくない(=ハンターとしてはこれくらい入手できなければ問題外)」らしい。とはいえ定価は58億ジェニー(ジェニーとはH×H内の通貨単位。1ジェニー=0.9円)なので完全に金銭感覚がバグっている人が入手難どを決めている。当然そう簡単に手には入らず、ゴンたちはオークションで手に入れた大富豪が開催した参加者募集のオーディションに合格する方法でこの条件をクリアしている。ゴンの金銭感覚がバグってなくてよかった。

 

もう一つの条件は念能力を習得していること。念能力はハンターが身につける特殊能力みたいなもので、ゲームをプレイするためにはゲームソフトをセットした状態で念能力(練)を発動する必要がある。つまり、G・Iのゲーム世界にいる参加者たちは最低限念能力を使う能力を持っている。作中にモタリケというモブキャラが出てくるが、この人もれっきとした念能力の使い手だということをぼくらは忘れてはならない。

 

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モタリケ。強さはさておき、ゲームの中で定職について結婚までした猛者。(出典:HUNTER×HUNTER14 富樫義博)

 

参加にお金と最低限の能力が必要なのは昨今のサロンやコミュニティに通づるところがある。まずはお金。コミュニティに参加できるくらいのお金は入手できなければ問題外、とまではいかなくてもそんな感じだろう。そしてもう一つの能力はH×Hみたいにオーラを可視化することもそれを見て判断することもできないので、(お金を払ってでも参加したいという)モチベーションが代わるものとしてみなされている。現時点では全ての指標に貨幣が用いられている。そのくらいお金に対する共通認識は強い。

 

2. 環境を利用して修行する

1の参加条件をクリアして晴れてコミュニティのメンバーになってもそれで終わりじゃない。むしろやっとスタートラインに立った段階で、進み方を誤るとモタリケ街道まっしぐらだ。定職や結婚が目的ならコミュニティよりもハローワークとか結婚相談所に行った方がまだ確率も高いしリスクも少ないだろう。

 

G・Iの中でゴンたちは様々なモンスターや他の参加者と戦う。最初はそこまで強くないモンスター相手にも苦戦してしまうが、よく観察することで弱点を見つけ、次第に圧倒していく。また同時に参加していたビスケの教えにより様々な修行を行い、結果念能力がはるかに向上(ゴンは必殺技も取得)する。修行しなかったらどうなるかはもうお分かりだろう。そう、モタリケになる。

 

コミュニティも同じだろう。入ったからといっているだけで自動的にレベルアップするわけじゃない。修行する環境が整った場所、くらいで考えておいたほうがいい。あくまで自ら修行しないと能力は向上しない。

 

3. 他の参加者と交わる

G・Iではゲームに参加してからゲームマスター(製作者)と接する機会はほとんどない。大半はプレイヤー同士のやり取りによって進められている。そのためにプレイヤーがやり取りできる呪文カードがあったり、途中メンバーを15人集めないと挑戦できないミッションがあったり、プレイヤー同士にコンタクトを取らせるような設計が為されている。

 

ゴンたちもビスケと出会うことによって本格的な修行を始め、ライバルのヒソカと共闘することでゲームマスターの一人を倒している。またプレイ後半は他プレイヤーとカードを交換することで効率良くクリア条件を満たしていっている。

 

ただじっとしてるより、色んなところに顔を出し口を出し手を出した方がずっと効率がいい。コミュニティやサロンでもきっと同じ。

 

まとめ

3つのポイントを行動レベルに落とし込むと下記の通りになる。今後なんらかのコミュニティに属することを検討している人はちらと頭の片隅に入れておいてもらえると嬉しい。検討してない人はここまで読んでいただいてありがとうございます。もうちょっとで終わりますので。

 

  1. まずは参加するためのお金とモチベーションを用意する
  2. 入ったら環境を活かして自主的にレベル上げをする
  3. 他の参加者とは積極的に交わり効率をあげる

 

コミュニティ参加のハードルはそんなに高くない。少なくともG・Iを入手するよりは簡単。とはいえG・ Iに価値がつくのは支払うだけのメリット(知名度、認知度)があるからで、単純に参加費が安いコミュニティ=良い!ということではない。自分がどこかのコミュニティに属する時にはコスパに囚われることなく意識して選んでいきたい。(意識して選びすぎて結局まだどこにも属せてないあるある)

 

以上、主催者目線を書きたいがための壮大な前置きをお送りしました。本題はまたいつか。